niemotti’s mysterious everyday 2

ニエモッティ ズ ミステリアス エブリデ- 2

弟と 買い物へ

 

弟に 買い物について行ってもらった

と、言っても近所のスーパーに

 

「かさばるもの」「重たいもの」はひとりの時は  少しずつしか買って帰って来られない

だから 誰かと一緒に買い物に行くのは 貴重な時間でもあるので

 

スーパーと言っても わたしにとっては

けっこう気を張っていかないといけない場所になっていて だから 安心して 買い物に行けるってことは 本当にありがたい ことで

 

実家の車は 弟家族が乗る為に 6人とか乗れるような車で

この間 亡くなった 父も よくその車に乗って

うちに来た

 

弟は 仕事の休みが 不規則なので 平日の昼間にも時間が取れるときがある

本当は別の用事があって来たのだけど、

買い物に行きたいと話したら 快くOKしてくれた

わたしは つまらない自分の説明

( ひとりで来れない理由 ) をしながら

弟と並んで歩いた  

若干 歩くスピードを合わせてくれたようだった 

 

「かさばるもの」「重いもの」を買い込んで

帰りには いつものようにへとへとになって

車に乗る 

 

わたしは 父のことを思い出さなかった

 

歳の離れた弟は もう (もちろん ) 子どもの ままではないのだけど

産まれたときの事を覚えている わたしには 可愛く思える

(たとえ いちおっさんに なっていようとも )

 

 

 

 

その日の夜  夕飯を終えて 

旦那と 少しだけ 瓶に残っていたウィスキーを

半分こしようということになり

それをちびちびと飲みながら

わたしは 話し方と声のボリュームに 気をつけながら

昼間に 弟と 買い物に行ったんだよ と話し、

旦那は

「へぇ   ○○は お父さんみたいだなぁ」と嬉しそうに言った

その時に 父のことがうわっと思い出された

「うん   そうだね 」

と、わたしは 返事して 目を擦ったけど

 

でも 弟は わたしには弟で

父は、わたしの父だった  

弟は 買い物が終わると すぐに帰って行った

父はいつもすぐに帰らずに

お節介をやいて スーパーの袋から 中のものを冷蔵庫に入れたりする

「それは大丈夫よ、後で ゆっくりやるから」

というと

「そうか 」

と言いながらも

いちばんやりづらい 卵のパックから 冷蔵庫の中の卵入れへの 移動 をしてくれ、

「コーヒーくらいご馳走しろよ」

と言って

必ず 台所に ふたりであぐらをかいて座り

わたしは 向き合う 真ん中に

昭和の応接間 を思わせる

大きなガラスの灰皿を 床にコトンと置いた  

 

ここの方が落ち着くよ、と父が言っていたスペースは

わたしが好んでよく居る  台所のすみだった

父は リビングに置いてある ソファには

あまり座らなかったので

 

「煙草をよこせ」と言うジェスチャーは

見慣れたもので わたしは 自分の煙草の箱を

ぽーんと放る ( 火は自分で持っているので  )

床に コーヒーを置いて  一服し

そして ゴミを集めて 指差し確認をして、

「お姉ちゃん、またな!」と言って 帰って行った…

 

もう 来ることはないのだけれども

 

 

 

少しのウィスキーが残るグラスをあけて

しばらく   毎日のことが  

突然  懐かしさに変わることの不思議な感じに

ぼーっと包まれていた

時間の経過ではなく、人が 過去 になるということは つい最近の時間でさえ 懐かしさに変えてしまうものなんだな

って思うと

「時間 」は正確なのかも知れないが ( 数字で表現できる点で言えば  )

「感覚」というのは 改めて 曖昧なものだと感じた

 

感覚が曖昧だとしたら

だいたいのことは 曖昧だと思うし

曖昧であるべきなんじゃないかな 

と ぼんやりと思った