niemotti’s mysterious everyday 2

ニエモッティ ズ ミステリアス エブリデ- 2

文章 お話を書いてみた

 

少し前に 友だちと お題を決めて 文章を書いてみた

 

 

『思い出のキャンディ』 

ある日のこと、スーパーに買い物に出かけた。
スーパーの中はだいたい把握しているような
いつも行く馴染みの店だ。
左回りに大回りすると 惣菜、乳製品、肉、魚、野菜の順に売り場がある。
正式な入店口から入ると逆の順に買い物ができる。
わたしはいつも反対側の小さな入店口から入る。そこだと家から最短なのだ。
だから普段から左回りに買い物をする。

いつかテレビを見ていたら、スーパーの店内の照明や棚の配置などはものすごく緻密な計算のもとに 作られていることを知ったけど、
わたしは そういう戦略を知るのが意外と好きだった。
レジの横にある棚には ついでにカゴに入れてしまうような心理を巧みに利用しているらしい。 確かにあの場所に置いてあるものは かさばらずに値段も手頃なものだ。

レジに並んだ時に わたしもまんまとスーパーの計算通り、小さなパックのキャンディやらガムなんかを2つ3つ、無造作にカゴに入れていることが多い。


その日も 何気なくキャンディをカゴに入れた。


帰ってきてすぐやることは買い物した いろいろなものをしまう作業。
冷蔵庫に入れておくもの、常温で構わないもの。できるだけさっさと済ませたい作業でもある。台所に買い物したままのレジ袋が置いてあるというのは気になるものだ。

いつものように 種類別に仕舞っていく。
最後にレジ袋のいちばん下にあったキャンディに気付く。

懐かしいパッケージ。
いつか、祖母が生きていた頃に わたしはこのキャンディと同じものを祖母に渡したことがある。祖母は半分くらい呆けていたが、
すり足で家の中をよく歩いていた。

若い頃から、喫煙をしていたわたしを祖母はあまり良くは思っていなかった。
なのに ある日「〇〇ちゃん、ほら、タバコ銭にしな」とにこっと笑って 小銭を握らせた。
100円玉と50円玉と500円玉、銀色の小銭は祖母が 貯金箱に貯めていたものだった。
わたしは「ありがとう」と受け取り、その時に自分の部屋にあったそのキャンディを駆け足で取りに行って 祖母に渡した。
祖母は必ず 腰に巻くエプロンをつけていたので、そのポケットに手を入れて「大事に食べるね」と嬉しそうだった。

翌日、祖母は 通っていたデイサービスに行った先で転倒した。実質上、祖母はその日から家に帰ることはなかった。入院し、施設へ入り、数年後に施設で息を引き取った。
ついこの間、祖母のエプロンが出てきた。
キャンディは大切にポケットにまだ仕舞ってあった。


レジ袋の中から キャンディを取り出して ひと粒口に入れる。
甘いキャンディは 懐かしさと あの時の祖母の笑顔を見せてくれた。

 

 

 

 

ちゃんちゃん♪