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台風とばあさん

わたしが小さい頃  「台風」 そのものより、その恐怖を 煽る存在がいて

それが おばあちゃん だった

 

風が吹いて  空がたまに鈍く光り、唸りだすと  

真っ青な顔をして家中の窓の雨戸を黙々と閉めて回るの

 

その行為が「ただ事じゃないぞ」と、胸をざわざわと不安にした

台風が普通の雨風じゃない事、前もってだいたいどこを通るかってわかっているし、

ジワジワとこっちに来る不気味さをなんとなく増幅させた

 

外はだんだん暗く黒くなり雨粒が音を立てる  その頃にはうちの中はもっと真っ暗  

それは、電気を使うものはみんな消してしまうから

 

「雷が落ちるから」と言う おばあちゃんの主張

 

でも、みんな「大丈夫だよ」とも「面倒だな」とも言わなかった

今思えば、そこまで怯えていたのは おばあちゃんだけ、

でも、それで おばあちゃんが 安心していられるなら それに越したことはない

結構 おもいやりのある家族だったのではないかな

 

なんておもう