niemotti’s mysterious everyday 2

ニエモッティ ズ ミステリアス エブリデ- 2

川までの距離

少し前の休日 車の中で旦那と大喧嘩をしながら買い物から帰って来た

 

夕方 暗くなり始めて もう上着が必要な季節になっていて、でも 喧嘩をしていて 寒いことなんかあまり感じなくて 窓の外を見ていたら

冷たい風を感じて歩くことも 日差しの中を歩くことも 当たり前のようになくしていた毎日を思った

 

今なら 歩いていけるかもしれない、なんて思った

どこへ、と言えば 家から一番近い川まで

ここに住んで もう数年になる

車でなら どこに何があるかは、だいたいわかる

だけど 歩いたことはない 

 

数年間ほとんど 1人で家にいた

 

お互いに怒りながら 家に入って、すぐに

わたしは上着だけ 羽織って

「散歩に行ってくる!!」と勢いよく歩き出した

旦那は無言で寝転がっていた

 

無反応でいた旦那に 

何度か 後ろを振り返って

旦那は ついて来てない… と思いながら、

歩き始めたら 楽しくなって来た

いつも車で通る川まで 行けるかも知れない、と思ったら すぐ 目的地は決まった

川の手前まで行ってみよう、と歩いた

 

夕方6時前頃だったかな、自転車に乗る親子連れと老夫婦、信号に一緒に待つと、まるで病気になんてなっていないような気になった

少し薄暗いし、知ってる人もいない

 

テンポ良く歩いて歩いて、目的地に到着した

ここまで、はじめてひとりで歩いた

と、感無量とまではいかないけれど 少しはいい気分でいたんだ

 

少し休んで帰らなきゃ

座るところもないし、道路に座るような歳でもにない

帰ろう…と思ったときに

足が止まってしまった

「あーーーあ…」と思い切り吸い込んでため息した 「やっぱり 病気なんだよね…」と思いたくない現実の 動かない足

 

帰りは つっかえながら

すくみながら、

小走りになっては 必死に自分でブレーキをかけながら ヨレヨレになって歩く

バランスも崩れて 何度も転びそうになって

来た道をゆっくりでもなく、でも多分何倍も時間をかけて帰った

 

やっとの思いで家にはいる

足が疲れきったようで 立っていられない

進まないほふく前進のように リビングにたどり着いた

旦那はいびきをかいて寝ていた

 

仰向けになって、深呼吸したら、

よっぽど嬉しかった感覚だけ 残っていた

 

後日、訪問リハビリの先生にそれを伝えたら、

距離を調べてくれた

片道800メートル、普通に歩いたら10分の距離

「すごーーい!!」と 褒められたら

 

喧嘩の愚痴を聞いてもらおうと意気込んでたのに

すっかり忘れていた